深夜の酔いどれパーティー
週末、突然に”クラブ”に行こうじゃないかということになる。小さいスペースであるが、予てから好きであった某DJ氏がわざわざこの信州に来るという。先日から気になってはいたが、もうこの歳になると若者が遊ぶ”クラブ”などにはさすがに行ってはならないのではないかと意気地なしな心持ちでいたところに友人から誘いのメールが。
彼女はいつになく行く気満々ノリノリだ。あんたがそれほどノリノリならアタシもそこに乗っかれるわと、夫に宅配ピザをおごって11時過ぎ、夜な夜な現場に送ってもらう。
この狭くて暗くて煙い感じ、とても久しい。
このイベントは某DJ氏の他に、ゲストでavex所属の某麻理子氏のライブもあったのだが、それに合わせてか12時過ぎた頃になって続々と人が集まって来てぎゅうぎゅうになる。
チャラついた男子こそいないものの、男率がかなり高く、ほとんど男祭り状態となってワッセワッセと盛り上がる。そこへ麻理子氏登場で「 There must be an angel playing with my heart 」にて歌姫オーラムンムンで歌い上げる。
それにしても近い。近い近いっ!
この狭い空間でのことであるからして、美貌の歌姫の歌う半径1mもないのではないかと思われる目前で、ほとんどただの酔っぱらいの男達が一斉にジュリーの「勝手にしやがれ」状態で両手を挙げてユラユラと迫ってくるのだから空恐ろしいのではないか。
「長野楽しい~!!」と叫んではいるものの、彼女の「触るなよ~!!」という心の叫びも聞こえてくるようであった。見ているこっちもヒヤヒヤしたが、やっぱり男達はハイタッチなど迫っていた。怖いわ。
実際恐怖におののきながら「ち、近いね・・」と呟くシーンもあったデス。
そんな酔っぱらいの集団と歌姫とのくだりも見ていて面白かったが、まあとにかくDJ陣のかける音楽のイケてるったらなく、グラス片手に、絶妙なエフェクトにクラクラしつつ踊ってるのが楽しくってしょうがなかった。まあ自分もただの酔っぱらいだった。
若い時勤めていた職場で、老若男女入り交じり二次会はスナックになだれ込むというシーンが時々あったのだが、誰かがカラオケで歌っていると、グラス片手に踊り出すんだオッサンは。そして若い娘に手を差し出してShall we dance?をするのだ。でもそんな酔いどれオッサンのピュアに楽しそうなのを見るのがとても楽しかった。というかウケた。
まさにそれだ。私は今、そのオッサンの気持ちがわかる。
麻理子氏の出番も終わり、いざ本日のメインDJ氏の出番が来た頃にはあろうことか体力の限界が私たちの身に迫っていた。壁に設置されたグラスを置ける程度のカウンターは手摺りだ。頭もぐらんぐらんとしょうもなく酩酊甚だしい。しかも2杯目に飲んだキューバリバーのコーラの炭酸が体内でブクブクしてきてお腹の調子がおかしくなってきてもいる。友人も時を同じくして「腰が痛い」と訴えてきたので、某DJ氏には本当に申し訳なかったが、本日のお楽しみはお仕舞いとし、千鳥足よろしく階段をやっとのことで這い上がって寒い表に出た酔いどれの深夜1時半。
しかしこの立てない感じ、楽しい。いや楽しかった。ノリノリで誘ってくれた友、そして深夜2時近くにピザ4ピースで迎えにきてくれた夫に感謝するのです。
んンンんん……
今日こそは、今日こそはブログを更新するのだと鼻息荒々しくパソコンの前に座った。
タイトルを書いて、いざ本題にはいらんとしたその時、ピンポンが鳴った。ペリカン便のおばちゃん配達人だった。アマゾンのお届けだった。そうだ絵本を買ったのだった。
段ボールをベリベリーッと開封して接着剤にひっついた中のビニ本を取り出してビニールをムニーーッと引き裂いて買った絵本を取り出した。『かばくん』
正月に年々増加する家族14名が一堂に会した新年会にて絵本談義となった際の兄さんオススメの一冊であった。
かわいい……。
キャンバス地にホンワカと、繊細に、或いは荒々しく描かれた質感のある色彩と、硬質な線で描かれたでっかいカバとちっちゃいカバとちっちゃいカバより小さいカメとあぶく……。子供は下駄履いてる。つぶやきのようなお話が、コロコロしたひらがなの文字が、絵に重なってジワ~ッと、かわいいのがモワ~ッと……ホワ~~ン……
!!ハッと我に返りパソコンの画面に顔を上げて向き合った。本題の部分に書かれていた。
んンンんん……
兄さんオススメ素敵絵本がキーボードの上でゴソゴソやっていた。
本気キャッチボールプレイ
男と女のキャッチボールであるのでチャラリチャラリ、アハハオホホと行きたいところだが、そういう地点を既に通り過ぎたというか飛び越した夫婦(めおと)キャッチボールであり、目的とするところは日頃の運動不足を解消しようぜという微妙に切実なところであるので、私の運動能力に合わせてフワリフワリと軟派に投げ合ったところで目的が果たせるはずもなく、夫も満足できないであろうと私は健気に全力投球する。
意外にズバッと行くときもあり「よっしゃ」と思う。どう投げたらまっすぐ行くか。隣では本格的に野球をやっていると思われる若い男の子が、私たちの倍の距離間でズバズバと投げ合っており、その投げっぷりをジロジロ見てみる。
夫は何のつもりなのか「うまいうまい!」とか「いい球投げるねぇ」とか「野球の経験ないんだよねぇ」などと持てはやし、そのうちにキャッチャーの構えで受けるなど、こちらもますます調子に乗って全力投球する。本当にいったいなんのプレイなのか……
運動不足の解消のためとはいうものの、年に一回やったところでデレぇーっとゆるみきった筋肉を、突然叩き起こしただけに終わるのではないか。
HOLY'S ホカホカてぶくろを撮る
シェットランドヤーンを使ったニット小物を作成しているHOLY’Sのニット作家ホリ氏より撮影を依頼される。今回はセレクトショップノーノ分室にて初の個展を開かれた。「てぶくろ」がメインになっており、可愛らしいのや落ち着いたのや実用的なのや、もういろいろいっぱい並んでいる。
定休日の店内を使わせていただき、時間とお天道さま、自分との闘い、努力と忍耐の撮影となったが、このホカホカしたてぶくろと向き合い、凝視していると自然と心が温かくなってくるわぁ~。
中でもこれはいいなぁ~と思った作品は、手の平側に革が縫い付けられている作品。HOLY’Sの作品は「ずっと使ってもらいたい」という願いから、購入後の繕いもやってくれる。お客さんとのそういうやりとりの中からの発想で作り出された作品のようだ。革がボロボロになったとしても革を付け替えればまたずっと使える。
先日まで個展会場には広島からはるばるやって来ていたホリさんが居たのだが、見に来てくれたお客さんとすぐに友達のようになって説明などしていた。指人形作りのワークショップも飛び込み参加などもあり、連日賑わっていたようです。なるほど、こういう人との密接な関わり合いが人に優しいニットを作り出すのだなと、ホリさんの佇まいを見て思う。
個展は9月30日(火)まで。明日まで!!遅いか
近々広島でも個展を開くそうです。
百文(momon)財宝を撮る
先日、百文(momon)彫金師の勝山ゆかこ氏からイメージ写真の撮影を依頼された。イメージとしては「ザックザクな感じ」と理解した。
ゴロゴロと用意された、コレクションの極一部を、自由に使って良いと、足りなければその辺にあるのを適当に使って良いと、非常に大らかなるお許しをいただき、粘り強くというか粘っこく何時間も居座って撮らせていただく。
いったいこれらは総額いくらなんだ。宝石にうといから見当など全くつかない。けれどもうといなりにもこの宝石や彫金が施された宝飾品の数々の美しさというのは直球で、光に煌めく様や透き通る様、ギロギロした模様やテカリ具合、陰とのコントラストなど、オタク魂がメラメラうひょうひょした。
そんなことであまりにもしつこい撮影となったが、あの現実離れした世界、とてもおもしろかった。
工房におじゃましたついでに、前から狙っていた「ムーンストーン・お月見団子のネックレス」を購入させていただいた。半透明に輝くムーンストーンがトロ~ンとして実に旨そう。
昨年購入させていただいた「グリーンガーネット丸玉のペンダント」は、これを見た友人がマスカットだと言った。百文の勝手に旨そうシリーズ。
極秘、球拾いの訓練を行う
6月のこと。
4月に実家にもらわれてきた雑種の黒い子。彼女の名前はクマ。名前というよりあだ名に限りなく近い。私はそのあだ名にあだ名をかぶせてクーちゃんと呼ぶことにした。
彼女はとにかくダッシュしたい。雑草の生い茂る中にほふく前進で分け入って行きたい。砂土にまみれて寝転がりたい。
クローバー畑に行くと嬉々として右往左往と猛ダッシュを繰り返す。引きずり回す。私を。ぶつかってくる。私に、電柱に。巻き付く。電柱に。
友人のワンコと行ったドッグランを思い出す。クーちゃんがあそこで思いっきり猛ダッシュしている場面を想像する。玉を投げたらダッシュで拾ってこちらに帰って来る。
しかしあそこにやって来ているワンコといったら皆よく躾けられて、飼い主の言うことをちゃんと聞けるワンコばかりだ。「寝ろ」と言われたら寝るぐらい。
そもそもクーちゃんは放したらもちろん猛ダッシュすると思うが、果たして帰って来るのだろうか。飼い主ではない叔母さんに当たるような私の顔を認識できているのだろうか‥‥
「バカにすんじゃないわよ」という目でこちらを見るクーちゃん。
ある日曜日に、クーちゃんをドッグランに連れて行く野望に備えて、玉を放って取りに行かせてまた戻って来るという訓練を行った。球拾いの訓練と言っても、この猛ダッシュに飢えた娘をその辺で放すわけにはいかないので、クーちゃんと私はセットだ。夫が玉を遠くに投げる。クーちゃんと私は猛ダッシュで玉を取りに行く。夫がクーちゃんを呼ぶ。クーちゃんと私は猛ダッシュで戻る。何故だかヘラヘラしてくる。
行きは二人とも目指すところが同じなのだが、帰りはクーちゃんは玉をあまり返したくないと見えて、こころなしか違う方向へ行こうとしている。私とクーちゃんの闘いでもあった。
しかしこの訓練は誰にも見られてはならないと思った。
鼻っ柱は強いが憎めない小娘
友人に誘われて飯綱のドッグランについて行く。飯綱は何故だかあまり行かないけれどさわやかでいい所だ。
ジャック・ラッセル・テリアの彼女の名前はジタン。タンバリンを持ったスペインのジプシー女。
柵の中に入るといきなりダックスフンドの集団にかしましく囲まれていた。というかなんの躊躇もなくその中に飛び込んで行った感もある。そして見知らぬおもちゃをくわえて帰ってきた。ヤツらのだね‥‥。
彼女は人の持っている物を欲しがる癖があるらしい。その後、物凄い大きいシェパードとかマスティフがノソノソと登場してきたが、そいつらのボールも当然のように放さなかった。
ボールを投げてやるとピューッと行って玉をくわえて帰ってくる。玉をよこしてごらんと手を出しても頑なに放そうとしない。こちらが諦めると玉を放して鼻でツンと突きだしてツンとしている。「投げてよ」ってか。
でもなんだよかわいいじゃないか‥‥。それを延々とやっている。疲れるとお腹をペトッと地面につけてひんやりしている仕草もかわいいぜ‥‥。
デカシェパードが一緒になって玉を取ろうとすると、血相変えてガウガウッと掴みかかる。なんという気の強い女。そんな鼻っ柱の強い小娘であるが、大人たちは見守る義務感があるのか、すばしこく駆け回っているところに寄ってきてはなんとなく右往左往しているのであった。
生意気でかわいいヤツ、彼女はスヌーピーに似ている。