正月のこと
いつもお正月の前になると、母が「もうたいへんだからおせちを作ってこなくていいからね。」と言ってくるのが、気を遣っての言動であるのか、或いは本当に迷惑だから言っているのかが、いまいちかわからず微妙な心持ちになっていたが、昨年末は珍しく「期待している」と言われた。
基本的に、自分の行動を否定されると極端に落ち込み、期待されると調子に乗って頑張る性分であるので、母からの「期待している」という言葉を受け、大掃除はだいたいでいい、おせちを頑張ろうという心持ちになった。
しばらくあまり頑張らないでおこうと、昨年は4品しか作らなかったのを、今回はあまり頑張り過ぎずにもうちょっと頑張ろうという体制で、各少なめで10品こさえた。
新年早々、いろいろあって、いろいろ考えさせられた新年の幕開けでありました。
本年もよろしくお願いいたします。
年末のこと-魅惑のシュトーレン
昨年のクリスマスはわりと仕事が早いうちに落ち着いたので、余裕ができ、あの肉~とこの肉〜を作れ、シュトーレンもできた。
あの肉~は、昨年流行に乗って作り始め、やたらめったら何にでも使う自家製塩麹を使ってみたのだけれど、やはり庶民のあの肉~とは思えない感動の柔らかさを生み出していた。勿論もう一方のこの肉~もしかり。
シュトーレン、打ち込んで変換すると「首都ー連」と族な感じでいつも出てくる。
何年か前に、このドイツの庶民のクリスマスケーキに出会ってから、これを作るようになった。
年齢が増すにつれ、あのクリスマスに売っている生クリームこってりの煌びやかなケーキに理不尽なものを感じ始めていた。
だいたい、クリスマスというのは肉料理を二種類こさえるほど調子に乗って作り、そして食べるわけで、ケーキに辿り着くまでに、満腹感は既に120%に達しており、ここであの雪のようなフワッフワ生クリームやらイチゴやらチョコレートでできたお家やらマジパンサンタクロースなどが集結した夢の共演的な世界観で攻めてくるデコラティブなホールケーキがドーン!と出て来きますとです。とりあえずは「おぉぉぉ!」と喜びとも驚きともとれないような微妙などよめきが起こり、これ、入るのか!?と焦る自分に笑ってしまいながらおかしな感じで頑張って食べる、という構図となるのです。
夫の仕事の取引先の関係で、近所のスーパーから購入するはめになったとはいえ、ホールだからそこそこの値段はしている。これを頑張って食べるという空しさ。
そうかといって、おしゃれなケーキ屋さんのクリスマスケーキはこってりし過ぎないものを提供しているところもあり魅力的ではあるけれど、ホームパーティーを催すなど調子に乗っていない限り、買うのを躊躇する値段なのであります。
そんなクリスマスケーキに疑問を感じ始めたときに、このシュトーレンに出逢ったわけです。
砂糖まみれになった湯たんぽのような、やや雑な感じのお菓子。見た目と味のギャップがかなりのものだった。
バターとブランデーがしっとりと染み込み、ドライフルーツやナッツなどがいっぱい入った、みっちりお菓子。まわりにまぶされた砂糖も絶妙。
ドイツでは、これをクリスマスの一ヶ月前に作り、毎日少しずつスライスして食べながらクリスマスを心待ちにするという、地道な習慣で食するお菓子なのだそうだ。
この日持ちのする、しかも意外に美味しいクリスマスのお菓子は、若くない120%の胃にとても優しい。日本ならクリスマスに作ったとしたら、そこから少しずつスライスして食べながら、お正月を心待ちにするというスタイルがおしゃれなんではないか。
自分の持つレシピで作ると二つできるわけだが、意外に美味しいので、少しずつなど辛抱できず、正月までもつわけがない。
小布施栗の巨大な渋皮煮がはみ出したスペシャルシュトーレンなり。
ニノミヤミホさんの個展
駒ヶ根市在住のBag作家 ニノミヤミホさんが手がけるバッグのブランド「Green thumb」の展示会に行きました。
場所は駒ヶ根市の住宅街の中にある素敵なお庭のギャラリー「ワーズワース」。古い洋館のような佇まいで、奥の部屋がカフェになっている、とても暖かい雰囲気のギャラリーでした。
色とりどりの素敵バッグや、定番がま口のポーチやペンケースがたくさん並んでいました。
素敵です。
ギャラリーを後にし、駒ヶ根の地でもう一ヵ所寄るところへ。
「三澤焼菓子店」
雑貨も売っている焼菓子屋さんです。実はIDLEDAYSポストカードを置いていただいて2年になります。
ここのお菓子はもう全部美味しい。バターたっぷりのリッチな味わいで、食べますと幸せな心持ちにしてくれるお菓子であります。
店主の三澤さんにお会いするのは2回目だけれど、超ド級の気さくさにかかり、ものすごく話しやす過ぎでついつい長居をしてしまうのです。
Green thumb 展示会 裏DM
駒ヶ根市在住のBag作家 ニノミヤミホさんが手がけるバッグのブランド「Green thumb」の駒ヶ根での展示会のDMを10月の愛媛での展示会に引き続き作成させていただきました。
Green thumb https://www.greenthumb-bag.com
Green thumb 展示会 DMの仕事
駒ヶ根市在住のBag作家 ニノミヤミホさんが手がけるバッグのブランド「Green thumb」の、駒ヶ根での展示会のDMを作成させていただきました。
Green thumb https://www.greenthumb-bag.com
DMに採用された写真のバッグは、ワシワシした手触りの革のトートバッグ。
使い込まれたら味がどんどん出てきそうなワイルドバッグでした。
野尻湖で泳ぐということ(完結その2)
8月の終わり、予てから憧れであった野尻湖で泳ぐべく、いざあの岸辺に向かった。午後2時過ぎとなると、既に遊んでいる人々がおり、カヤックで岸に着けて遊泳するツアーっぽい家族と、昨年もお見かけした友人の野尻湖フレンドのシェパード連れのビキニのご婦人ら、総勢8人くらい。
既に水は濁っとるなーとややひるんだが、この勢いに乗ってやらねばいつやるのだと心を強く持って、ジタンと共に水に入っていった。
濁っとるー。
でもついに入ってやったわい。
もうどうでもいいわい。
人間なにか吹っ切れると何もかもどうでもよくなる。
岸から5メートルも行くともう足が着かないからけっこう恐い。なんにも見えないし・・・
前に朝一で来たときは、けっこう透き通っていて小魚が泳いでいるのとか見えたりしたのだけれど、今日は既に犬やら子供達らがわさわさ遊んでいるので水底の土が巻き上がってもうもうとしている。子供らはツアーの一環なのか桟橋の先の物見塔から一人ずつ次々と飛び込み、コンダクターのようなおじさんが写真を撮っている。
それを見ていた友人と夫が、口を揃えてあれをやれあれをやれと盛り立てるので、いい大人だけど、恐いけど、もうどうでもいいわい、やってやるわいと物見の塔へ果敢に登っていった。
もうどうでもいい気分であったがやはりこの危険行為、ここは冷静に歳を考え、子供達の飛んでいた半分の高さの位置から飛び込んでやったわい。
飛び込んだ瞬間、危機感からなのかなんだかわからないが、目がしっかと見開かれた。
そして土がもうもうと立ちこめる水中映像が見えた。
もう二度とやるまい。
ジタンはシェパードのたしかソフィーといったな、彼女と共に喜々としてビニールボールを追いかけている。
よくよく見ると、ボールではなく黄色いお風呂玩具のアヒルちゃんが引きちぎれたやつだった。
シュールだ・・・
友人がアヒルちゃんを持ってジタンと桟橋の先まで走って行き、アヒルちゃんを桟橋から湖に投げ込む→ジタンがアヒルちゃんを捕りに湖に飛び込む→アヒルちゃんを捕ると岸に戻ってくる、というシステムで延々とやっている。
あるとき、ジタンがアヒルちゃんをくわえて単独で桟橋に走って行った。桟橋の下には先程の子供達がユラユラと泳いでいる。
ジタンはあろうことかその子供達の上から「さあ拾いな」と言わんばかりにアヒルちゃんを落とし、子供達がアヒルちゃんを拾って投げ返すという新システムを作った!
何か恐ろしいものを見てしまったような気がする・・・
気高い娘ジタン。
遂に野尻湖で泳いだけれど、どうも北欧のバカンスではなかった。
来年は実家のクーちゃんと朝一で来てやるわい。
野尻湖で泳ぐということ(完結その1)
8月の終わり、今年二人乗りのカヤックを手に入れた友人から、野尻湖でカヤックを体験してみないかと誘われた。
野尻湖ー!!
野尻湖で泳ぐことが、ここ何年かの私の憧れ。
今年は個展に没頭している間に夏は過ぎ去ろうとしていたので、半ば諦めつつも、あと少し残る夏に賭けてチャンスを狙っていた。
そこへゴムボートに乗った友人とジタン(犬)が微笑みをたたえてやってきたのであります。
二つ返事で「やる~!」と返事したものの、よく考えたらやるのはカヤックであって泳ぎではない。
いやいやついでに泳ぐかもしれないし、カヤックが万が一転覆した場合など必然的についでに泳げるかもしれない。まあいいまあいい。
よくわからない希望を持ちつつ、夫と二人で水着着用で、友人とジタンとカヤックが待ち受ける野尻湖に向かった。
友人の所有するカヤックは空気を入れるタイプの二人乗りのカヤック。甲斐甲斐しく全部準備してくれて、友人はジタンと岸辺で遊んでいるから、二人で行ってこいとパドルを渡され送り出された。どっかの岸につけて泳いできてもいいとも言われた。
そんな優雅な感じもできるのか!
最初二人で漕いでみたが息が全く合わず、行きたい方向に進まないので、私は漕がずに写真係となり、追い風に乗ってカヤックはスイスイ進み、夫のテンションも上がり気味で「これ買う~!」などと口走った。
岸からどんどん離れて友人も見えなくなり、ボートで釣りをしている人とか水上スキーに興じる人々などで穏やかに賑わっている。大自然に囲まれて、水上を風切って進む。素敵な遊び。
そういえば・・・
どっかの岸につけて泳いできてもいいと言っていた。
しかしながら、野尻湖の岸辺はそれぞれ私有地になっているはずで、やたらめったらどこでも泳げるわけではないはず。いつも犬を遊ばせるみんなの岸辺に行けばいいのではないのかと思い、次の岸辺、次の岸辺と渡ってみたが、野尻湖は想像以上に大きい。んなものが1時間やそこいらでちょいちょいーっと漕いで辿りつけるはずがないわけで・・・
出発してから30分、後ろを振り向くと漕ぎ出した桟橋ももう全く見えない地点まで来ており、ここから帰り着くまでに確実に30分はかかるのだということを思うと無表情になった。
一人で漕いできて既に疲労困憊状態だった夫はよっぽどうんざりしたであろう。
泳ぐ岸辺もわからないし、恐いからもう帰ろう帰ろうという空気に一気に変わり方向転換して引き返しにかかった。
今度はアタシが一人で漕いであげようと、いざ漕ぎ出したものだが、向かい風となった帰り道、一向に進まん・・・
あの岸辺にいつ帰り着けるのか・・・
恐ろしさのあまり二人がかりで本気漕ぎにかかった。自由に漕いでいるとパドルが一向に揃わないでバタバタしているだけなので、かけ声運動を試みた。
当初はボート部の女子高生のイメージで試みたのであるが、細かいディティールがよくわからなく、そのうちに餅つきの夫婦風となり、更に「おやじの海」風に進化していった。
ワッセワッセと漕いでいると、パドルの動きが揃ってきて向かい風にもかかわらず、グイグイと進み、何故だかたまに出てくる体育会系魂が放出して、全く優雅な湖の遊びとは思えぬ体でガシガシと帰り着いたでのあった。
一息ついて・・・
今度は友人とジタンと私でカヤックに乗り込んで、ちょっとだけまわってくるということになった。
ジタンは船首に立って最初は女がてら勇ましさを見せたが、すぐに飽きてその辺に浮いている浮き玉が気になってしょうがない。
今にも飛びかからんとばかりに身を乗り出したり、浮き玉を追ってカヤックの中を右往左往している。
人間の上を踏みつけて・・・
痛い・・・
カヤック遊びはたぶんあのように体育会系の本気漕ぎでやるものではなく、大自然を愛でながら、ゆったりと余裕かまして楽しむものなんであろう。
そんな大人にもなってみたいけれど、必死の形相の本気漕ぎもなかなかに楽しかった。
カヤックを乾かしている間に岸辺のレストランでランチ。
ジタンが遊び足りないということで、いつもの岸辺で泳いで帰ることになった。
いざ!憧れの北欧のバカンス風湖遊泳。