マイキー 再捜索
夫に励まされつつ朝から再び捜索する。私は側溝に落ちているかもしれないという可能性から、それを確認しようと、お湯を運んできては網の下に落ちている雪を溶かして執拗にのぞき込んでいた。そこにマンションの管理人さんが通りかかり、いったいどうしたんだねということになり、これこれこういうわけで鍵を落としたので探しているのですと説明した。すると管理人さんはどれどれ見せてごらんと、何のためらいもなく四つん這いになり側溝の中を覗いて「ないねー」と言うのであった。!!私だってそんなにまで。すいません!そんな格好よしてください!と心の中で叫んだ。
管理人さんはその後あっさりと去って行き、再び捜索は続いた。そしてしばらくしてだ、スコップで雪をひっかきまわして捜索してくれていた夫が私の鍵を掲げて近寄ってきたのは。ふかふかと盛り上がった雪の底から発見したのだそうだ。「おおーー!」感謝の言葉を叫びながら普段見せないようなとびっきりの笑顔を見せたと思われる。その後、管理人さんが帰ってくるのを見つけて、普段なら人に駆け寄って話しかけるなど全くしない自分が、自ら駆け寄って鍵が発見されたことを喜々として報告したりなど、相当嬉しかった。紛れもない喜びや感謝の感情がこのように沸き上がる瞬間が清々しい。
夕方から招待されていたクリスマスホームパーティー、心おきなく飲んだり食ったり騒いだり、実に良い日であった。
雪降り続く中、鍵を紛失する
最悪な事態であった。駐車場から部屋まで、たった30mあまりの間で落としただけのことのはずだった。部屋に辿り着いた瞬間に気づいてすぐに探しにいったのに。確かにその時、雪かき用に長靴を買ってきており、どうせだったらそれに履き替えようと、焦りながらものんきに履き替えていたロス時間はあった。早く探しに行かないと降り続く雪に埋もれてしまうと焦る反面、今だったらまだそのへんに落っこちていて見つけられるだろうと高を括っていた部分はあった。
おニューの長靴を履いてバタバタと外に飛び出して歩いて来た道のりを引き返した。間抜けにそのへんに落ちているであろうと思っていた鍵、相当探したが結局見つからず。みじめだ。
だがこんな短時間の間に変だよ。私が落とした瞬間、後ろから来た車が鍵をふんずけて雪積もる道にメリッとメリ込んで見えなくなったのか。ふかふかした雪の部分に落ちて、その後私がひっかきまわして余計わからなくなったか。側溝の網を抜けて下に落ちたか。誰かが拾って親切に交番に届けてくれたか(ありえない)。私に付いているストーカーみたいのが物陰からそれを見ていてすぐに鍵を拾ってホクホクして帰ったか(更にありえねえ、いやありえる)。あの鍵には部屋の鍵も付いてたんだよ。車を盗まれるかもしれない。留守の間に泥棒が入るかもしれない。雪の奥底に落ちてるとしてもこの1週間は降り続くであろう雪が溶けるのはいったいいつなんだ。このまま見つからなかったら、どこかにいるかもしれない泥棒に一生ビクビクして生きてゆかねばならないのか?もう一生の汚点だー、ああー。その日は卑屈なまま床につくのであった。
雪積もる、小学生校庭の丘にて
今年もまた盛り上がっているようだ。小学生丘滑りプレイ。奇声を発しながら実に楽しそうだ。あんなに我を忘れて遊び呆けることって久しくないなぁ。あんなふうに興奮して遊んでいた頃の気持ちをまた取り戻したい。
キンボールっていったい
地区内の組長を担っているため、区民に回覧するための印刷物が定期的にポストにドサッと入っていたりする。先日またそのようにポストに入っていた印刷物の中に 回覧:「キンボール大会のご案内と参加者募集について」と題した申し込み用紙が入っていた。
その初めて見るスポーツらしきカタカナに目を見張ったわけだが、このキンボールっていったいなんなんだ。「キン」て何のことなんだ。金ボール、緊ボール、均ボール‥‥いずれにせよボールの部分まで漢字に置き換えたら声に出して言うことはできまい。
この印刷物には「キンボールってこんなスポーツですよ」とか「キンボールに取り組む区民の写真」みたいなキンボールを紹介するような欄はいっさいなく、まるで「ソフトボール大会のご案内」のようなメジャーな佇まいで題名を飾っている。「キンボール」を知らないのは今どき私くらいなものなのか?
会社から帰宅した連れあいをつかまえて「いったいこのキンボールってなんのことなのだ」と聞いたところ、先日の寄り合いで、その大会について告知があり、その際私と同じように疑問をぶつけた人がいたそうで、公民館長が「キンボール」の説明をされたそうだ。それによると「ゲートボールの玉をカーリングみたいにする」イメージだったそうなのだ。意味わからん。全く信憑性のないその答えに合点が行かず、ネットで検索してみることにした。そうしたらこの「キンボール」について説明されたとてもよいページがあった。
なるほどー、ていうか連れあいの聞いてきたイメージはやはり全く間違っていた。しかしそそられるなぁ、キンボール。オムニキン!!ボイ~ン‥‥だもんなぁ。
茶の味
茶の味
2004/日本/原作・監督・脚本・編集:石井克人
とある田舎のとある一家の日常。皆それぞれにモヤモヤとした悩みを抱えている。
会話も映像もいかにも平凡な日常的に流れているが、よくよく聞くと全く平凡なんかではない。じいちゃんが元アニメーターってこと自体がもう普通ではない。いかにも平凡な日常的に流れている映像と会話は、見ていなければドキュメンタリーのような環境映像のような感じで自然に流れてしまうのだが、目を凝らして観ていると、あるいは耳をすまして聴いていると全てがヘンなのだ。で、なんかイイ。
ものすごい端っこのちっちゃいところや、ちっちゃいつぶやきなど、いちいち笑かしてくれるわ。ほのぼのと。
我衆院達也扮するおじいの全く意味のわからない「なんであなたは三角定規なの~♪」のシーンのピラティスポーズをとる妹さっちゃんがタラコキューピーのようで非常にかわいらしい。そしてしばらくあの山を愛する歌『山よ♪』が頭から離れないであろう。
キムチ漬けてから1週間経つ
先週、新聞に載っていたキムチのレシピに基づいてキムチを漬けてみた。そのレシピの中に「韓国唐辛子」を投入するよう書いてあったのだが、んなものは近所のスーパーに売っていなかった。そこで唐辛子にはかわりないだろうと、常備している一味唐辛子とチリペッパーで代用したのであった。ここが屈折第一地点。
その他レシピ通りに調合したが、出来上がり写真のような赤みがいまいちないと思い、食紅感覚でパプリカも投入する。ちょうどその時居合わせた妹夫婦には、そんなことをしてもいいのかと心配された。それが屈折第二地点。
漬け終わって冷蔵庫にしまう前に、妹の旦那殿とチョビッと摘み食いをしてみた。 ○×△@辛ッ!!! ‥‥人間の喰うような辛さではなかった。「きっと1週間経てばまろやかになるのだよ!」皆から心配された。
そして1週間経過した。見た目はけっこうキムチっぽくなっている。でもやっぱ色は赤み足りない。食べてみる。‥‥味もなんとなくキムチっぽくなっている。まろやかになってるかも、っていうか味が薄いかも‥‥っていうか○×△@辛ッ!!! ‥‥人間の喰うような辛さではなかった。なんかこう辛さがラテン系。まずかないんだが‥‥。
ネットで「韓国唐辛子」を検索してみた。
キムチの美味しさは唐辛子で決まるといってもいいらしい。 しかし日本産の唐辛子は辛みが強すぎるため、本場韓国のキムチ作りには不向きらしい。ただ辛いだけではなく、コクと甘味を含んだまろやかな辛みが特徴らしい。
なるほどー。
うっそうと草茂る水槽
夏に2匹の金魚がお陀仏になって以来、残りの2匹は伸び伸びと過ごしている。生き残っているだけあって、警戒心の強い奴らで餌の時間以外は草の陰に身を潜めたりするのであまりかわいくなかったりする。逝ってしまった2匹はいつだって私が姿を見せるとアホみたいに突進してきたんだがなぁ。
近頃は水槽もあまり汚れなくなり、何より水草が引っこ抜かれなくなった。前は植えたその日のうちに根こそぎ引っこ抜かれたり、グリップを効かせた顎で(顎でグリップっていうのか?)食いちぎられたりなどムゴたらしく、2ヶ月もすれば茶色くなった草がオバQの毛のごとくはかなくユラめいているのが常であった。
それだけストレスが溜まっていたのだろうか。狭い水槽に4匹が同居し、そのうち2匹がアホだったら‥‥。