3食築地は無理だった
実は昨年の11月にも築地に行っている。
日本橋茅場町で行われていた弟の個展を観に行くという名目で東京に行った。せっかく東京に行くのだから弟の陣中見舞いだけに終わらせたくない。日本橋茅場町、東京メトロ茅場町駅から二駅程で築地がある。築地が。
この時は予てからやってみたいと思っていたこと「早朝の築地を見たい」「東京を自転車でうろついてみたい」という事柄を実行するため晴海に宿をとって、車に自転車を積んで行ったのだった。
築地場内は土曜日だし観光客で混雑するらしいということで、深夜1時に長野を出発した。義兄に借りたカーナビのお姉ちゃんのアナウンスに従うままに築地に到着したのが夜明け前の4時半だった。
駐車場はまだガラガラで、日本で一二を争う張りきりようなのではないかと感じ、なんだか気恥ずかしかった。飲食店は4時から開店しているところもあるので早速乗り込んで行ってもよかったのだが、今日1日のためにもちょっと仮眠してから行くことにした。が、築地のこの「美味しいものがたくさんあるよ!」的な空気を目前にして、10分も経たないうちに空腹で仮眠などしていられなくなった。
築地場内「魚がし横丁」
まだ5時前なのに既に行列のできている店も何軒かあった。張りきっている人がたくさんいた。やはり外国人が多い。飲んだ帰りのサラリーマン風の男女が千鳥足で回転寿司屋に入っていったり。
業者がターレットなる移動と運搬に使う乗り物に乗って、もの凄いスピードで走り回っており、かなり怖い。実際ここはこの人達の仕事場であるのでターレットが大優先。狭い路地も巧みなハンドルさばきで観光客を威勢良く蹴散らしながらくわえたばこに不機嫌そうな兄ちゃん達がキラキラしていた。ここではキョロキョロとうろつく観光客はまるで迷い犬だ。
実際怖くて競り市などやっているゾーンには入って行けなかった。外国人やずぶといおばちゃんなどはお構いなしにズンズン入って行けるのだろうな。近頃競りの見物が中止になったらしい。
既に大行列になっている店に並ぶのは御免なので、1~2人しか並んでいないすぐに入れそうな海鮮丼の店に並んだ。本当は天丼にするか海鮮丼にするかでちょっともめている。
こんな普段寝ることはあっても起きることはないような時間に、海鮮丼をガッツリ食べようとしていることがなんだかワクワクした。
何を食べたかよくおぼえていない。ウニをトッピングしたような気がする。狭いカウンター席しかない店内で陽気な外国人客がデカい声で「オイシイ!オイシイ!」と連呼していた。
その後まだまだ築地に居続けた。10時に弟と落ち合って今度は築地場外の店で寿司を食べた。食べ過ぎだ。もう食べれないよ。品がない。
その後弟の個展を見に行き、晴海にとった宿にチェックインして自転車に乗ってその界隈をうろついてみた。
本当は夕飯も築地で今度は天丼などと思っていたのだけれど、さすがにもう築地で天丼って感じでなく築地はやめた。でも入ったところが地鶏の鉄板焼きというそのチョイスもよくわからない。
翌日は晴海から銀座までを自転車で行ってみた。晴海通りを一直線、高低差がほとんどなくスイスイ行って爽快だった。人の多さに圧倒され、お茶して帰ってきた。拠点としていた晴海は閑静なところで落ち着く。
それから荷物をまとめて晴海を出発し、北区にある妹の家に寄ってから長野に帰った。
今になって天丼を食べなかったのが心残りだ。今度は天丼を食べに行かなくては。