2010.02.18
乙女心とおっさん心で観る
探偵物語
1983年/監督:根岸吉太郎
映画「探偵物語」がとても好き。
薬師丸ひろ子主演の映画として、この『探偵物語』と『セーラー服と機関銃』と『翔んだカップル』という成長しかけのところばかり見ているのでかなり偏っているかもしれないが、先ずは薬師丸ひろ子が本当にかわいい。
元気でハキハキしていて好奇心いっぱい、色気がないけれどもかわいい。かわいいのに色気がない。裏表を感じさせない純真無垢なオーラがおっさんに夢を与えてくれる。
そしてお嬢様女子大生の薬師丸ひろ子のボディガードとして雇われた私立探偵の松田優作。初めのうちは存在を知られながらも、後をつける形で任務を遂行しているが、途中からは行動を共にする。
このようなかっこいい大人が探偵で、毎朝屋敷の門の前で待っていて、日中はずっと後からつけてくる。いけない虫に食われそうになったら邪魔してきたり、思いを寄せる大学の先輩の住所を簡単に調べてくれたり、チークを踊ってくれたり、夜の仕事をしている元女房が出てきたりしたら、二十歳やそこらのコムスメがふらっとならないわけがないだろう。私は薬師丸ひろ子の女子大生役に完全に乗り移って見ている。
特にいいのはやはり終盤の空港での長回しの名シーンである。ここの松田優作の演じる探偵辻山さんが本気かどうか、いや絶対本気だ。その辻山さんの本気さ加減を、乙女心とおっさん心で熱弁したい。