私も司修の絵本に出会ったので
甥っ子が司修の絵の絵本を好んで所有しているというのを小耳に挟んだ。
昨年の秋に、黒姫の役場に用があったので行ったついでに黒姫童話館に寄った際に私も司修の絵本を購入したので、なんか嬉しい。
黒姫童話館は冬はスキー場、夏は牧場になっている丘の上に構えた外国の田舎風ステキ風の絵本のギャラリーであるが、平日に来るとほぼ誰もいない。
誰もいないギャラリーをぶらぶらと見て回り、絵本の閲覧コーナーにさしかかった。「立ち読みコーナー」離れられない・・・
あまり長居をしていると盗んでいると疑われないだろうかとか余計な心配をしながらも、さんざん物色した末に、これ欲しいぞと定めたのがこの「ぼうさまになったからす」(文)松谷みよ子(絵)司修/偕成社刊 であった。
海を渡って戦争に行ったきり帰らぬ人となった村の男たちを、村に住みついていたカラスの大群が、家族らに代わって坊さまになって一斉に海を渡り弔ったというお話。
黄色いひび割れた地に黒く描かれた村の風景やカラスと、青く塗られた海が素晴らしかった。黒いカラスは黄色いひび割れた空を飛んでいるうちにやがて黒い袈裟を着た坊さんに変わっていた。
いつか手に入れようと、本のタイトルと作者の名前を憶えた。
絵本館のショップコーナーで売っている絵本を見たら、正にこの本が売っていたので即座に購入する。
強く欲したものはやはりお互いに吸い寄せられるもんだぜ、と思う。
レジのお姉ちゃんに、隣に併設されているギャラリーでも企画展をやっているのでどうぞご覧くださいと促されて行ってみると「松谷みよ子の絵本原画展」などとやっており、その中の原画に司修も含まれていた。ミラクルだ。「私のアンネ・フランク」があり、おお~これ見たことあるよ~、などとひとり感動した。
このリンク感にこのうえなくロマンを感じる。