NHKドラマスペシャル 白洲次郎
おととしの秋に我が家にHDD&DVDレコーダーが導入されて以来、調子に乗ってTV番組やBS放送などで放送された映画やなんかをいつか見ようとコツコツ録画していたのだが、この年末に遂に予約可能時間が残り1時間をきった。いかん、こうなることは最初からわかっていたけれど・・・
特に昨年の後半は見る時間がとれずたまりにたまった。この年末年始の特別番組ばかりやっている隙にと先ずは軽い「タモリ倶楽部」と「ブラタモリ」と「新・三銃士」を見つぶした。年賀状も出し終わり、まとまってできたこの時間に今度は大物に取りかかるとする。
昨年2月から9月までに3回に渡って放送された「NHKドラマスペシャル 白洲次郎」第1回「カントリージェントルマンへの道」第2回「1945年のクリスマス」第3回「ラスプーチンの涙」
脚本と演出は「ハゲタカ」や今年の大河ドラマ「龍馬伝」を作っている大友啓史氏だそうだ。テレビドラマらしからぬ映像と空気感、NHKすげえぜと思う。
とにかく登場人物は常にたばこをふかし、スモークの中でドラマは進んでゆく。
本当にあったことなのかそうでないのか、あくまでフィクションなのだろう。白州次郎についての資料は本当に少ないらしい。
Tシャツにジーパン姿の男前紳士とか唯一マッカーサーに物申した日本人だとか奥さんが白州正子だとかそんなことぐらいしか私は知らないが、このドラマで一貫して描かれたのは、白州次郎は自分の信念を貫き通して生きたということだった。自分の良心に忠実に、ただ心の赴くままに矛盾に満ちながら進んだ。その方向は善でもあるし悪でもある。善でもないし悪でもない。
容姿端麗で頭もキレて正義感が強く、お金持ちで英語もペラペラ。これがただの鼻持ちならないヒーロー像になっていないのは、彼が自分のできることがなんなのかということが見つけられず、ずっと悩みながらも探し続けていたという姿も描かれていたからだろう。同じように自分の存在価値を探し続けていた良きライバルでもある白州正子との距離間もよかった。
それにしたって伊勢谷友介扮する白州次郎像、かっこ良過ぎ。