3月末は熱かった
3月末に、久々に仕事が一段落して、この余裕ある期間に何しよう、アレもやろうコレもやろうなどと、久々の休日に夢膨らませていた時だ。アレは始まった。『あしたのジョー』
BSで毎日毎日5日間もの間、TV版『あしたのジョー』を放映し続けたのだ。1970年~1971年に放映された全79話あるうちの1話から、力石の死ぬ51話までの間の抜粋37話を・・・。劇場版は何度観たか知れないが、TV版というのは観た記憶がない。ここで劇場版では省略されていたジョーの詳細がわかるのだ。このせっかくの余裕ある期間にありがた迷惑な話だ。いや違う、これは偶然でなく必然なのだ。そう思う。当然どっぶりはまり込んだ。
あの5日間で新たにわかったことは、丹下段平の存在があまりにもデカかったことだ。ただのダミ声の汚いオヤジではなかった。ジョーの指導者であり、父であり、母であり・・・親としてのデカすぎる愛情を見せつけられたような気がする。
特に衝撃的だったのはエンディングテーマの『ジョーの子守唄』である。下手だなぁ~~。いったい誰が唄っているのだ。おっつぁんの声をやっている藤岡重慶氏ではなくて、小池朝雄氏という俳優や声優をやっている人のようだ。しかしこの下手さ加減が妙にリアルだし、「立て!立て、立てぇ!」という捻りだしたような叫びもそっくりで熱い。
それと毎回の予告偏のおっつぁんの一言も良かった。毎回「さあ!○×△□のジョーの、明日はどっちだ!!」で締める。ある回ではおっつぁんが熱くなりすぎて予告偏で1分以上しゃべっていたような回があった。更には、ジョーと力石徹の最後の闘いが終わって、もしかして力石死んじゃうのか?という終わり方をした回の次回の予告でおっつぁんは、いきなり大音声で「力石は死んだ!!」と叫んでいた。言っちゃっていいんスか!!とてもビックリした。
TV版の力石が死んだところまでの後は、ジョーが真っ白になっちまう劇場版『あしたのジョー2』が付け足された。これは何度も観ているのでまさかもう泣くまいと思っていたのだが、んなことはない、ジョーとホセが闘っている間中、入れ替わり立ち替わり様々な登場人物の気持ちになって、こんなんなって泣いていたりなんかした。
長かった5日間、私の休日の夜はジョーに捧げた。そして最後はあの唄がもう一度聞きたくて、ビデオを巻き戻した。「立て!立て、立てぇ! 立たなきゃ~昨日に~逆もーどーり~~」